VPNでできること
VPNでできることを考える前に、まずLAN(Local Area Network)でできることを考えてほしい。
同じ部屋の中の複数の機器をLANで接続することにより、その機器の参照が可能となる。具体的には、2台のパソコンをLANで繋ぐことにより、お互いのパソコンの中身(指定されたフォルダ)の参照ができるようになるため、データの受け渡しがスムーズになる。
LANはパソコンだけではない。プリンターとパソコンをLANで繋ぐことにより、LAN環境内のすべてのパソコンが、同じプリンターで印刷することができる。最近では、プリンターケーブルの差し替えなんて行わず、普通に印刷できていないだろうか。その時「なんで?」って思ったら、それがLANで接続されているから、ということになる。
また、先ほどデータの共有でパソコン同士の接続を例にあげたが、その際、パソコンの電源を常時入れておく必要があり、常に社内作業をしている者同士であればよいが、電源が入っていない状態も多いとなると、データを取り出すのにわざわざパソコンの電源を入れるのも不便である。
そこで、NAS(Network Attached Storage)が役に立つ。要するに、外付けハードディスクをUSBではなくLANに繋ぐ。先ほどのプリンターと考え方は同じである。
LANに繋がれた外付けハードディスクのみ常時電源を入れることで、常にどのパソコンからも同じデータを参照できるようになる。
では、VPNでできることは何か。答えは簡単である。拠点が異なれば、それはLANの外であり参照は不可能であるが、VPNを構築すれば、異なる拠点でも一つのLAN環境を構築し、例えば東京から福岡の拠点のプリンターで印刷したり、福岡のPCから東京の外付けハードディスク(いわばデータセンター)のデータを取得できるようになる。
最近では、VPNにモバイル端末から接続するシーンも増えてきている。多様性の一つである。モバイル端末から接続する場合は、通信容量が大容量で固定IPも使えるSIMの契約が必須となる。